三菱地所部・フラー社設計:フラー社施工:大正9年~12年。いわゆる「丸ビル」です。アメリカ式のスピード施工による建築で、あまり耐震力が強くなったビルです。大正11年の地震で損傷。翌年の、関東大震災では大損傷を受けることになります。被害の調査から、部材が細いこと、鉄筋の数が少なかったことがわかっています。アメリカ流の合理主義は、コスト削減を強いるために、重要なところが抜け落ちてしまうのかもしれません。対照的に、前に紹介した、日本興業銀行は、丸ビルと同時代に建てられたものだが、震災に耐えることができました。なお、丸ビルは「丸ビルのマスで計って何杯」などものさしの役割も果たしていました。