[佐野利器設計:清水組施工:東京日本橋:明治41年~42年(1908-09)]
佐野利器は、サンフランシスコ大震災(明治39年)の被害状況を調査し、鉄骨を主体とした建築物の耐震性を学んだ。そして、試作として、アメリカ式の鉄骨主体の丸善を設計した。鉄骨のみの建物は耐震にすぐれているが、鉄は熱に弱いため、耐火上は弱い。そのため、鉄を覆う膜があったほうがよい。写真からはわかりにくいが、壁はレンガ壁となっていて、レンガは建物を支える役目をもっておらず、単なる耐火被覆の役割しかはたしていない。これは、「鉄骨帳壁作り」と呼ばれるアメリカ方式の技法であり、カーテンウォールとも呼ばれている。この工法は、後の日本のレンガ作り建築の標準となった。
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